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導入事例・コラム

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導入事例・コラム

2025年6月23日

原状回復費用の相場は?負担割合・節約術までを徹底解説

マンション・アパート、戸建住宅など、賃貸物件から退去するとき、一体いくらの原状回復費用を請求されるのか不安に感じていませんか?「敷金が戻ってこないのでは?」と心配な方も多いでしょう。そうした方に向けて、本記事では原状回復費用の相場・負担割合から、見積もりのチェックポイント、費用を節約するコツまでを徹底的に解説します。この記事を読めば、退去費用の不安を解消し、納得のいく形でスムーズに退去ができるでしょう。



原状回復とは何か?借主が負う範囲と基本ルール

まず、原状回復とは何なのか、その基本を確認しましょう。原状回復とは、借りていた部屋を退去する際に、その部屋を入居時と同じような状態に戻すことです。ただし「入居時と同じ状態」といっても、住居として生活するうえで生じる経年劣化や通常の使用による傷みまで新品同様に戻す必要はありません。


国土交通省のガイドラインでも、経年劣化や通常損耗による汚れ・傷は貸主が負担すべきとされています。つまり、時間の経過や普通に生活したことで生じた傷みについては、借主に原状回復義務はないのです(※1)。


一方で、借主の故意や過失によって生じた傷・汚れ、または善管注意義務(借主が賃借物件を適切に管理する義務)に反する扱いによる損傷は、借主が修繕費用を負担しなければならないのが原状回復の基本的な考え方です。簡単に言えば、わざと壊してしまったものや、不注意で汚してしまった部分の修理費は借主が支払い、それ以外の自然な劣化部分は貸主が負担するということです。


例えば、画鋲の小さな穴や家具でついた床の小傷は通常使用の範囲ですが、タバコのヤニで壁紙が黄ばむ・結露を放置してカビだらけにするといった損耗は借主負担となります。このように、どこまでが借主負担かの線引きは、国が示した基準と入居時の契約内容によって判断されます。


また、賃貸契約時に敷金を預けている場合、退去時の原状回復費用は通常その敷金から差し引かれて精算されます。借主としては、正当な範囲の費用だけが差し引かれ、残りはきちんと敷金が返還されることが重要です。不当に高額な請求をされないためにも、原状回復のルールを理解しておきましょう。



国土交通省ガイドラインにおける原状回復の考え方

住居の原状回復のトラブル防止のため、国土交通省は1998年に「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を公表しました。法的な強制力こそありませんが、多くの裁判例で参考にされ、原状回復の全国的な基準となっています。


国交省ガイドラインでは、原状回復の範囲を明確に定義しています。ガイドラインでも原状回復の範囲は前述の考え方と同じで、借主の故意過失などによる損耗のみが対象と明記されています。


さらにガイドラインでは、契約書に特約がなければハウスクリーニング費用などを借主に請求できないとされています。特約がある場合でも、その内容が合理的で借主が十分納得し、合意している場合にのみ有効です。


ガイドラインに沿った正しい知識を持つことが、敷金トラブルを防ぐ第一歩です。引越し前には念のため契約書の特約事項を確認しておくと安心でしょう。



原状回復費用の相場と内訳

では、原状回復費用の代表的な内容とその相場を解説します。実際の金額は物件の広さや損耗の程度などによって変動します。


ハウスクリーニング費用の相場(間取り別)


退去時に行われる室内全体の清掃(ハウスクリーニング)は、原状回復費用の中でも基本的な項目です。間取り別のおおよそのクリーニング費用相場(※2)は次の通りです。


•ワンルーム、1K:約1.5万~3万円

•1DK、1LDK:約2万~4万円

•2DK、2LDK:約3万~5万円

•3DK、3LDK:約5万~8万円

•4DK以上:約7万円~


部屋が広くなるほど清掃範囲も増えるため、クリーニング費用も高くなる傾向です。ただし、実際は汚れの度合いやエリア、業者によって上下します。


壁紙・クロスの張替え費用


室内で特に目立つ壁紙(クロス)の張替え費用も、原状回復費用の大きな部分を占めることがあります。クロス張替えの相場は1㎡あたり約1,000~1,500円程度(※3)で、壁一面を全面張替えすると数万円規模になるのが一般的です。一部分の汚損でも通常はその壁面全体を張り替えるため、1面あたりの費用負担になります。損傷箇所によっては複数面の張替えが必要となり費用も増加します。


なお、クロスの耐用年数は6年程度とされており、入居期間が長ければ張替え費用もその分減額されます。逆に短期間で汚して退去した場合は、残存価値が高いため負担額も相対的に多くなる点に注意しましょう。これは、クロスだけでなくその他の設備などについても同様です。


床や建具の修繕費用


床材や建具の損傷も、場合によっては修繕費用が発生します。フローリングの引っかき傷や家具を引きずった跡など軽微なものはクリーニングや補修材で対応可能なケースもありますが、深い傷やへこみがある場合は床材の部分張替えを行うことがあります。


フローリング材の部分交換費用は、一部の板を取り替える程度であれば1箇所あたり数千円~1万円前後(※4)が目安ですが、損傷箇所が広範囲に及ぶと部屋全体のフローリング張替えとなり高額になります。また、クッションフロア(CFシート)やカーペットも損傷がひどい場合は部屋全体の貼り替えが必要です。



原状回復費用の見積書でチェックすべきポイント

退去時には、管理会社や貸主から原状回復費用の見積もりや精算書が提示されます。その内容が妥当かどうか、借主はしっかりチェックしましょう。見積書を確認する際、次のポイントに留意します。


契約書の特約と照合する


見積もりが契約内容に沿っているか確認しましょう。契約で定めのないクリーニング費などが含まれていないかなどは要チェックです。


内訳が具体的か


見積もりに修繕項目ごとの金額が明記されているか確認します。もし「一式○○円」としか書かれていなければ、内訳の説明を求めましょう。


工事範囲や数量の妥当性


修繕の面積・数量が実際の損耗に見合っているか確認します。汚れが一部なのに部屋全体の張替えになっていないかなど、不自然な範囲で請求されていないかチェックしましょう。


経年劣化の減額


長く住んだ分、クロスなど耐用年数内での価値減少が差し引かれているか確認しましょう。本来、使用年数に応じて請求額は減額されるはずです。


不要な工事がないか


必要のない工事や二重計上が含まれていないかも見極めましょう。疑問があれば遠慮なく管理会社に問い合わせ、説明を受けてください。見積もりの段階でしっかり納得しておくことで、後々のトラブルを防ぐことができます。



原状回復費用トラブルへの対策と心構え


退去時の費用をめぐって貸主・借主間でもめてしまうケースもあります。そうしたトラブルを防ぎ、また万一トラブルになった際にも適切に対処するためにポイントを押さえておきましょう。


入居時の準備=原状の記録と清掃


トラブル予防の基本は事前準備です。入居時に部屋の状態をしっかり記録しておきましょう。壁や床の傷、設備の状態などを写真に撮って保存します。また、退去する際には部屋全体を丁寧に清掃しておきましょう。換気扇や浴室のカビも可能な範囲で落としておけば、後から「掃除不足」と判断されにくくなります。


管理会社・貸主との交渉のコツ


原状回復費用に関して疑問や不満がある場合、まずは管理会社や貸主に冷静に相談・交渉してみましょう。感情的に抗議するのではなく、ガイドラインの内容や客観的な根拠をもとに話し合うことが大切です。例えばガイドラインを引き合いに出し、「それは経年劣化ではないでしょうか?」と根拠を示してみましょう。


第三者への相談も検討する


話し合いでも解決しない場合や、明らかに不当と思われる請求を受けている場合は、遠慮なく第三者の相談窓口を利用しましょう。消費生活センター(電話「188」)や国土交通省の「住まいるダイヤル」(TEL: 0570-016-100)など公的機関に相談する方法があります。必要に応じて弁護士に相談し、少額訴訟など法的手段をとることも検討しましょう。泣き寝入りせず、公的機関や専門家の力も借りて適切に対処することが大切です。



原状回復費用を節約する方法

原状回復費用を少しでも安く抑えるための工夫を紹介します。


日頃から丁寧に使う


入居中に部屋を大切に使うことで退去時の修繕費を減らせます。家具の脚にフェルトを貼って床の傷を防ぐ、壁に物をぶつけない、定期的に換気してカビを防ぐなど、日々の心がけが将来の節約につながります。


自分でできる清掃や軽微な修理


退去前に自分で可能な範囲の掃除や簡単な補修をしましょう。例えば、お風呂やキッチンの水垢は市販の洗剤で落とす、壁の小さな穴は補修シールで塞ぐ、といった対応です。プロに頼めば高額になる作業でも、自分でできればその分費用を減らせます。ただし無理な補修で状態を悪化させないよう注意しましょう。


複数の業者から相見積もりを取る(可能な場合)


物件によっては、借主が退去時の原状回復業者を指定できるケースもあります。その場合、複数の業者から見積もりを取り、より安い業者を選ぶことで費用を抑えられます。ただし、多くの賃貸では貸主側が業者を決めるため相見積もりが難しい場合もあります。


長く住むメリットを活かす


壁紙や床材などは耐用年数(おおむね6年など)があるため、長く住めば住むほど経年劣化分として費用負担は減っていきます。頻繁に引っ越すより、同じ部屋に長く住む方が結果的に退去費用を抑えられる場合もあります。



賃貸契約時に確認すべき原状回復のチェックポイント

退去時に慌てないため、入居時に契約書の原状回復に関する項目を確認しておきましょう。


特約事項の内容


契約書の「特約」欄に退去時のクリーニング代や設備交換費を借主負担とする記載があれば、その金額や範囲が明確で妥当かチェックしましょう。納得できない内容があれば契約前に確認・交渉することも可能です。


敷金の扱い


敷金がある契約では、退去時の清算方法についても確認します。契約によって敷金の清算方法は様々です。敷金ゼロ物件では退去時に実費清算となるため注意しましょう。


経年劣化の記載


最近では契約書や重要事項説明書に「通常の使用による損耗は貸主負担」などガイドラインに沿った記載が盛り込まれていることもあります。そうした明記があるか確認しましょう。

契約段階でこれらを把握しておけば、退去時に「こんなはずじゃなかった」という事態を避けられます。


退去時に困ったときの相談窓口


原状回復費用に納得できない場合やトラブルになりそうな時は、早めに専門の相談窓口に連絡しましょう。主な相談先は次の通りです。


•消費生活センター:全国各地の消費生活センターでは、敷金トラブルや退去費用に関する相談を受け付けています。電話「188」をダイヤルすれば最寄りのセンターにつながります。


•住まいるダイヤル:国土交通省の委託事業である住まいるダイヤルは、住宅に関する様々な相談に応じています。原状回復の妥当性や法律面についても問い合わせ可能です。(TEL: 0570-016-100)


•弁護士・法律相談:法的な争いも視野に入れるなら、弁護士に相談する方法もあります。悪質なケースでは、少額訴訟や調停といった法的手段で敷金の返還を求めることも可能です。


早めに相談することで、「もっと早く動けばよかった」と後悔せずに済みます。一人で抱え込まず、公的機関や専門家を頼りましょう。



原状回復費用を適切に抑えるなら、リロケーションアドバイスへ

最後に、原状回復費用の不安を抱える方はぜひ当社、リロケーションアドバイスにご相談ください。当社は、オフィスや事業所の退去時の原状回復費用を適正な金額に抑えるサポートを行う専門会社です。


提示された見積もりの妥当性をプロがチェックし、必要に応じて貸主側と交渉して費用を減額します。借主自身では言い出しにくい交渉も第三者が代行するため、大幅なコストカットにつながるケースもあります。


サービスは完全成功報酬型のため、費用が減らなければ料金は発生しません。まずは無料相談で状況を伝えれば、専門スタッフからアドバイスがもらえます。原状回復工事に詳しいプロが無駄な出費を見極めて抑えてくれるので、「見積額が高すぎる」と感じている方には心強い味方です。


原状回復費用は、正しい知識があれば過剰な支払いを防ぎ、納得のいく形で退去できます。本記事で解説したように、国のガイドラインや契約内容を理解し、対策方法や交渉術を身につけておきましょう。十分な準備と確認を行えば、安心して新生活への一歩を踏み出せるはずです。


<参考記事>

※1…「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」について

※2…損をしないための費用の目安と相場の考え方。

※3…損をしないための費用の目安と相場の考え方。

※4…退去費用の相場とは?貸主・借主の負担や高額請求されやすいポイントを解説


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